FileMaker バージョンアップの注意点
お世話になっております。
KK・Customizeの久保でございます。
本日は、”FileMakerをバージョンアップ”する際の、
注意点について、記載していきたいと思います。
始めに、FileMaker18で追加された機能
FileMakerは、年々バージョンアップを行っておりますが、
その度、新たな機能が追加され進化を遂げております。
FileMaker18で新たに追加されたもののみ、以下に記載致します。
- データインポートのための新しいユーザインターフェース
- 起動時に特定のカスタム Appを開く
- ファイルバージョンの比較
- ファイルベースのスクリプトステップ
- スクリプトエラーログ
- While 関数
- SetRecursion 関数新しいセキュリティアクセス管理
- 新しい[セキュリティの管理]ダイアログボックス
- プラグインセキュリティの機能強化
- デフォルトのファイルアクセス保護
これだけの数がバージョンアップで追加されました。
FileMakerをバージョンアップする際の注意点
FileMakerをバージョンアップ(アップグレード)する際の注意点として
気を付けなければならないことがございます。
それは、「廃止された機能」があることです。
廃止された機能があれば、当然、これまで動いていた機能が動かなくなり、
結果、不具合を発生させますので、念頭に置いて、バージョンアップするようにしましょう。
以下に、「廃止された機能の一部」と「バージョンアップ時にポイントとなる機能」を記載させて頂きます。
廃止された機能の一部
•スタンバイサーバー機能
FileMaker Server に標準で搭載されていたスタンバイサーバー機能が、
FileMaker17 より廃止されました。
代替手段の一つとして、NEC 社のCLUSTERPRO Xがございます。
•[ 許可される向きの設定 ] スクリプトステップ
iOS においてデバイスの向きを固定する機能であった
「許可される向きの設定」スクリプトステップは FileMaker16 より廃止となりました。
残念ながら、後継機能はありません。
•レイアウトテーマの一部
廃止されたテーマを使ったレイアウトは、
FileMaker18 にて開いてもそのまま維持されます。
バージョンアップ時にポイントとなる機能
• ESS(SQL データソースにライブ接続)
外部の SQL データベースにライブで接続をおこない FileMaker のテーブルのように扱う機能となります。
サポートバージョンが細かく決まっているため確認が必要です。
• インスタント Web
インスタントWeb公開が廃止され、バージョン 13 より
FileMakerWebDirect になりました。
また、バージョン 17 より、URLの記述方法が変更されているため、
すでに FileMaker WebDirect を導入している場合も注意が必要です。
• プラグイン
標準で含まれていない多くの機能を提供しているプラグインは大変便利ですが、
現在使用しているプラグインが、アップグレード後のFileMakerのバージョンでもサポートされているか確認する必要があります。場合によってはプラグインが影響してクラッシュしてしまうこともあり得るため、
事前の動作確認が重要です。
• Web ビューアで JavaScript の使用
FileMakerの標準機能では表現できないインターフェイスの作成などに利用されますが、
FileMakerの中でWebブラウザを表示させているのと同じ状況であるため、
OS のセキュリティアップデート、Web ブラウザのアップデートなどにより影響を受けます。
以上となります。
少々内部的で難しいお話しでしたが、いかがでございますでしょうか。
バージョンアップすれば便利になる一方で、
注意点も多く御座います。
何も考えずにバージョンアップすると、デグレを引き起こすこともありますので、
注意してバージョンアップしましょう。